石室神社(いろうじんじゃ)
■住所:賀茂郡南伊豆町石廊崎 地図
■創建; 大宝元年(701年)
■本殿の様式; 流造り
■例祭; 4月3日
■御祭神; 伊波例命(いはれのみこと)、物忌奈命(ものいみなのみこと)
■合祀; 十一面観音、大六天神、大国主命、崇徳天皇、事代主命、梵釈四天王、住吉大神、海神自在青龍王
■境内社; 須佐之男命
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境内社; 熊野神社
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■雑感
伊豆半島先端の岩場全体が御神体の磐座になっていると想像できる。更に最先端には、境内社として熊野神社(御祭神;須佐之男命)を祀っている。
景色は見渡す限り海、、、まさに海上交通安全の神様が宿っているといったところか。
この海は、相模灘と遠州灘の中間に位置する難所。伊豆の七不思議の代表的な神話にまつわる帆柱が、こちらの社殿を支える基礎となっていると伝わる神社である。
この日は比較的穏やかな風がふいていた。しかし、海の荒れた日は想像を絶するだろう。
社殿内部に、非常に興味深い神話の説明書きがあった。丁度神職さんがいらしたので、いろいろお話しを伺う事が出来た。心より感謝申し上げます。
何度か訪れている場所になるがいつ来てもとても気持ちが良い場所だ。
御由緒より抜粋;
【 千石船の帆柱 】 伊豆の七不思議のひとつ
明治以前、参道がまだ険しい山道だった頃より神前に横たわっていたこの帆柱には、さまざまな伝承や民話が残っている。
その昔、江戸へ向かう播州の千石船がこの沖で大嵐に襲われた。船頭たちは転覆寸前の船上から目に見えぬ対岸の石室神社に、船の命である帆柱の奉納とひきかえに助けてもらえるよう一心に誓願すると、不思議な事に波は静まり船は無事江戸に着くことが出来た。
帰路、往路の誓願を忘れた船がこの沖を通り過ぎようとしたが、どうした事か船は一向に進まず次第に暴風雨となった。船頭は往路の誓願を思い出し総がかりで帆柱を切り倒して海に投じると、帆柱は荒れ狂う大波に乗り、まるで供えられたかのように神前に打ち上げられ、同時に海も静まったという。(民話によっては大波ではなく龍がくわえて神前に供えたとするものや、妻良港で帆柱を新調したというものがある。)
帆柱の材質は檜で、明治34年に建替えられた社殿の土台として、本殿下に3間(約5メートル)拝殿下に6間(約11メートル)使われている。