阿比多神社(あひたじんじゃ)
■住所:新潟県上越市長浜 地図
■創建; 持統天皇8年(694)
■本殿の様式; 流造り
■例祭; 4月25日
■御祭神; 少名彦命(すくなひこのみこと)
配祀; 菅原道真(すがわらのみちざね)
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■雑感
上越市の西、谷浜駅近くに鎮座する。国道沿いに鳥居があり線路を横切る形で参道が続く。辺りは田園風景となりのどかな感じだ。参道を進み橋を渡ると、煉瓦造りの灯籠が目を惹く。そして鳥居を潜り、深い杜へと苔むした階段が続く。この苔むした階段は、杜の椿の花が散り、花びらと苔とが美しい天然の絨緞を創り出していた。幻想的な気すらして、踏んで行くのが惜しい程だった。登りきると拝殿・社務所があり境内社が本殿北側に位置している。居心地の良い場所だった。
階段を彩っていた椿は“ヤブツバキ”というらしい。“ヤブツバキの自然林”は、新潟県内でも殆ど残っておらず、数少ない貴重な自然林なのだそうだ。
■案内板より
阿比多神社は延喜式内社にして、祭神は少彦名命である。社殿は古くは南西、高志山にあり、後に現在地に移されたのものである。この地は東に面した高所にして下は海洋の煙波を越えて佐渡を遠望することができる。伝えられるところ、順徳上皇佐渡にご遷幸の折り、越の長浜は名所であるとして、神輿を駐めて眺望され、当社にご参詣された。その折り、北野天神の御像を当社に納められた。以来、菅公を合祀することとなった。天満天神は古来より学問の神として参詣者も多く、崇敬を集める。1100年祭にあたり菅公の徳をしのび、記念としてここに梅林を造成したものである。
ヤブツバキの自然林 ; 案内板より
日本の野山に自生するヤブツバキは、つばき科ツバキ属ではもっとも北に分布する野生種である。
日本海側 雪の多い野山にはツバキ属のユキツバキや、ユキツバキとヤブツバキの中間型が分布し、ヤブツバキは海ぞいの地域に点々と青森県付近まで生育しているにすぎない。しかしながら海ぞいの地域には古くから集落が多く、集落に近い森や林は燃料などにあてるためにたびたび伐採され、現在ヤブツバキの林はほとんど残っていない。
阿比多神社の森はその規模は小さいが、本県内では能生町白山神社の社叢、村上市石船神社の社叢とともに、残された数少ないヤブツバキの自然林の一つである。
平成元年 上越市
境内社 |
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